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●当エントリー内の転載記事内容について、
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●「200ミリシーベルト以下なら大丈夫」
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●という点について、「数値が高すぎる」というコメントを複数頂きました。
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●元原子力技術者の方の文章ということで安心して転載しておりましたが、ニュース等で伝えられているとおり、原発の現場作業者ももっと低い数値基準で作業されているようです。
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●当ブログでは、以下の転載記事の、
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●「単位に注目するとデータを理解しやすい」
●という点を評価して、記事の削除はいたしませんが、
●以上の趣旨をご理解の上ご高覧くださいませ。
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●公に向けて記事を書くということは、なかなか難しいことですね…^^;
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●以上まで修正
元原子力技術者であり、株式会社ファブリッジ 代表の諸井太郎さんが書かれた、放射能についての大変わかりやすい解説をご紹介します。(転載元:Facebook諸井さんのページより)
−−−−−−−−−−−−−以下転載−−−−−−−−−−−−−−
「今、逃げるべき???」【原子力事故】とあなたの身体
世間が大混乱している原子力事故。
【原発の放射能】が【あなたに及ぼす影響】について書きますね。
...
役人と東電の説明が、あれほどわかりにくくて、
メディアが騒ぎ立てれば、みんな不安になりますよね。。。汗
私、元、
東京電力原子力技術者(原子力発電所の運転経験5年)
さらに、原子力トラブル発生時のマスコミ・官庁対応チームだった経歴から、
今「逃げるべきか?」「まだ平気なのか?」悩んでいる方々に説明します。
■1番大事なこと
事故の内容よりも、結局「放射能がどのくらい出ているのか」をチェックすること。
燃料が溶けようと、火事が起ころうと、大事なのは、
「放射能が外に放出されているか」どうかです。
そして、「その値がいくつなのか」です。
まず「単位」に注意してください。
報道では、計測された放射線の値として
「マイクロシーベルト(μSv)」とか「ミリシーベルト(mSV)」とか言っています。
これ、大事です。
「マイクロ」と「ミリ」では、【1000倍】違います。
【マイクロシーベルト】→【ミリシーベルト】→【シーベルト】
1000マイクロシーベルト=1ミリシーベルトです。
・・・っで、肝心なのが、
「いくつになったら、身体に影響がでるの???」ってことですよね。
答えは・・・
「200ミリシーベルト(200mSv)以下は大丈夫」
ということです。(図を見てくださいね。)
覚えておいてください。
これはマイクロシーベルトにすると「20万マイクロシーベルト」です。
・・・ということで、マスコミが
「500マイクロシーベルト」とか、「1000マイクロシーベルト」とか
報道しているうちは、全く相手にしなくていいわけです。
たとえば、病院でCTスキャンを1回やると、
「6900マイクロシーベルト」です。
それから比べたら、
500マイクロや1000マイクロは
大騒ぎする話では無いのがわかると思います。(あなたの身体への影響という意味でね。)
では、3月15日(本日)
「3号機の近くで400ミリシーベルトの値が出た」
というのはどうでしょう?
これは問題ですね。汗
200ミリシーベルトを超えているわけですから。
でも、慌てないでください。
大事なのは単位です。
単位は「400ミリシーベルト/h」です。
つまり、3号機の横に、1時間ぽけーっと突っ立ていると、
400ミリシーベルト、放射線を受けますよ。(←つまり被ばくしますよ)ってことなんです。
これを読んでる人で、3号機の横に住んでる人・・・もちろんいませんよね。^^;
さらに、知っておいて欲しいのは、
放射線の影響は、「距離の2乗に反比例する」という性質です。
これはどういうことかと言うと、
放射線を出すものから、離れれば離れるほど、放射線の威力はものすごく小さくなるということです。
例えば、「2m離れれば1/4」、「3m離れれば1/9」という具合です。
(1つ前のトピックの図を参照してください。)
ということで、400ミリシーベルトがそのまま影響するわけではなく、
実際は、ものすごく小さな値になるのがわかると思います。
だから、「東京から今すぐ逃げよう!」なんて考えるのは、早すぎるわけです。
大事な事は、「放射線の値」を確認すること。
一時的に400ミリ出ても、その後下がってマイクロシーベルトの世界に入れば、
騒ぐことはありません。
400ミリが、1000ミリ、2000ミリと、どんどん上昇していくようなら、
そのときは、いよいよ「逃げる準備」を始めて警戒していけばいいのです。
「値」と「その傾向」
上がってるのか、下がってるのか。
これを見極めてくださいね。
さらに不安な方へ・・・
次に、こんな疑問があるかも知れません。
「では、なぜ近隣住民に避難命令が出ているの?」
「東京都内でも、放射能を検出したって話だよ」
答えは、
「放射能は、空気中のチリやホコリとともに、風に乗って移動するから」
です。
「えっ?」「じゃぁ逃げなきゃ!」っと思いたくなるかも知れません。
でも、慌てないでください。
基本的に、風に乗って放射能は「拡散」します。
つまりどんどん薄まっていきます。
薄まれば薄まるほど、威力は弱まります。
こちらも、モニタの「値」を気にしましょう。
例えば、東京近郊での数値は「約1マイクロシーベルト/h」だったわけです。
これは全然問題ありません。
たとえば、先ほども書きましたが、
病院でCTスキャンを1回やると、
「6900マイクロシーベルト」です。
これは1時間じゃなくて、1回です。(全然違います。)
6900マイクロシーベルト/回
ということです。
それに対して、「約1マイクロシーベルト/h」は、
「そこに1時間いたら1マイクロシーベルト、放射線の影響を受けるよ。」
ということです。
値の意味さえを知っていれば、
「マイクロシーベルトのレベルであまり騒ぐ必要は無い」
ことがわかると思います。
どうでしょう?
これらを知っておけば、
世間の動きに流されて、
「今すぐ逃げろ!」とならずに済むと思います。
冷静に数値を見て、冷静に判断しましょう。
参考にしてもらえたら嬉しいです。
わかりにくいところは、お気軽に言ってくださいね。
元の図の出展:資源エネルギー庁 ホームページ
http://www.enecho.meti.go.jp/rw/hlw/qa/pdf/sanko02.pdf#search=%27%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%20%E4%BA%BA%E4%BD%93%20%E5%BD%B1%E9%9F%BF%20pdf%27
作成: 諸井 太郎
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すばらしいです! よくわかりました。むやみに恐れず、事態を見守りたいですね。
現在福島原発で作業している方の基準が250mSvです。
普通は緊急時(同僚の命を助けるとか発電所があぶないとか)でも100mSvが作業者の基準です。
防護服も無しで、線源が空中の塵、つまり吸い込む危険があるという状況で、空間線量率200mSv/hでは、話になりません。
通常業務での職業人の基準は年50mSv、5年平均で年20mSvです。
内部被ばくまで含めてこの程度であれば、大人なら問題ないでしょう。仕事だからまぁ、いいかという被ばくの度合いです。
ご近所の放射線モニターの値で言えば5.7μSv/hになります。政府の屋内退避の基準がこのくらいです。
職業被ばくは大人基準で内部被ばくが無い場合ですから、お子さんがいらっしゃる場合、もっと低い数値をお勧めします。
コメントありがとうございます。
なるほど、
年50mSv÷365日÷24時間
で1時間に換算すると5.7μSv/hになるわけですね。子供だとどのくらいを基準にすればいいものか…
ともかく、ほかの方のコメントも別のエントリーに頂き、どうもこの転載記事の内容は少し基準がゆるいようです。
知識がないと、もっともらしい説明をされると納得してしまいたくなり、困ったものです。
ご指摘ありがとうございました。